アジアン・ミーティング@metro雑感

ここはずっと告知用に使ってきて、感想や雑感めいたものはtwitterやFBの方に書いてましたが、長い文章をtwitterで分けて書くのも面倒くさいのでまたここで書くことにします。

昨晩のアジアン・ミーティング、今までの京都では全員が円形に位置し順繰りに2〜3人で演奏というスタイルと、metroで3~4人のセットを組んで爆音スタイル、という違った二日間が開催されていたのだけど今回は爆音ナイトのみ。

やはり3~4人のセットで演奏30分くらいとなると、各個人の個性が掴みにくかったのはしょうがない。ソロ、もしくはデュオで聴いてみたいと思った人が(国内外問わず)たくさんいた。
まあ、日本人の演奏家はまた聴けるが、海外の人は次回があるかどうかはわからないのでそれが少し心残りではあります。

特に印象に残ったのが1stセットでのAlice 張惠笙のヴォイス。最初、(吉田)アミちゃんかシェリー・ハーシュに似てるかな、と思ったけどよく聴き続けるとまったく違う。特に倍音の出方が独特。ああいう倍音の声は初めて聴いたかも。4人でのセットなので演奏自体はかなり周りの演奏を聴きコントロールされたように思えたけどどうだったんだろう。
アリスさん、今回の出演者では一番ソロを聴きたい、と思った人でした。
そう思ったお客さんも多かったのか、物販ではもう売り切れたアリスさんのCDを問い合わせる人が多数いました。

今回一番気に入ったのは3rdセットのイ・カホ(クアラルンプール):二種類の笛
C・スペンサー・イェー(ニューヨーク):声とヴァイオリン
ゲスト:中田粥(大阪):バグシンセの3人。
中田さんはようやく生で聴けました。基盤タワー(と言ってもナンノコッチャわからんと思いますが)からの強烈なパルスノイズは10数年前に大阪で見たヴォイス・クラックのノルベルト・モスラングのソロを思い出しました。でもモスラングは完全に自分の音をコントロールしていたけど、中田さんのコントロールできない音もコントロールする、意図しないことを意図する、といった音の存在感は強烈に印象に残りました。
それにもまして他の二人の演奏がすごく良かった。
普通、弱音楽器で爆音即興に挑むと、楽器をかき鳴らしたり吠えまくったりで、大きな音を出すために音質の微妙なコントロールがおろそかになりとても単調になることが多いんですが、この二人はかき鳴らしたり吹きまくったりしても、微妙な音質のコントロールを忘れていなかった。結果、このトリオの音が今回一番豊かに聴けました。
この3人、別の組み合わせでも聴きたかった。

この3人に限らず、別の組み合わせでも観たかったな、と思う人も多かった。

ここに挙げてない人も全て面白く、欧米発でないアヴァンギャルド(系)の音に未来を感じます。新しい音楽が生まれそうな未来。そしてその未来が国や文化や宗教の壁を超えた交流の始まりでもあることを期待します。

日本側のミュージシャンも今回とても良かった。1stセットでのYTAMOの演奏がふわっとして穏やかな音なのに妙に存在感があってずっと4人の音を底で支えてるようだったし、4thセットでの他の二人の出すビートの嵐の中、タイトでソリッドなドラムを聞かせてくれた岡田高史さん(彼はgoatの新メンバーということです)、YOSHIMIOはさすがだったし。旧知のYOSHIMOやYTAMOだけでなく初だった中田さん岡田さんのこれからも注目していきます。

アジアン・ミーティング、明日21日は仙台、23日、24日は札幌です。本心から、お勧めします。

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